クロムめっきとロールナビ

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硬質クロムめっき

よくあるQ&A

Q&A 一覧

硬質クロムめっきと装飾クロムめっきはどのように違うのですか?

めっき皮膜の組成はともに金属クロムです。しかし、装飾クロムめっきは美観や耐食性を目的とした装飾用のめっきであるのに対して、硬質クロムめっきは主に硬さや耐磨耗性を目的とした工業用のめっきです。そのため、装飾クロムめっきは0.1~0.5μmの薄いめっきですが、硬質クロムめっきは10~100μmもしくはそれ以上の厚いめっきを施します。また、装飾クロムめっきは耐食性を向上させるために下地にニッケルめっきを施します。一方、硬質クロムめっきの場合は密着力を重視するために鉄素地などの上に直接めっきすることが一般的です。

硬質クロムめっきとクロメートはどのように違うのですか?

硬質クロムめっきの皮膜は、金属のクロムで6価クロムを含んでいません。一方、クロメートは亜鉛めっきや亜鉛合金めっき上に用いられる化成処理です。亜鉛めっき後に、6価クロムを含むクロメート液に漬け込むことで、亜鉛めっき上にクロメート被膜が析出します。このクロメート皮膜は自己修復作用があり、優れた防食性を有する皮膜です。従来は6価クロムを使用した液で皮膜を生成していましたが、形成された皮膜が6価クロムを含有しているため、環境問題の観点から近年は3価クロム液からのクロメート皮膜が主流になりつつあります。

硬質クロムめっきの中には6価クロムは含まれていないのですか?

硬質クロムめっきは、めっき液中の6価クロムを還元して金属クロムとして還元させたものです。このため、6価クロムはめっき皮膜中には含まれません。

硬質クロムめっきが処理可能な材質について教えてください。

処理可能な素材は、鉄鋼素材、鋼、真鍮、ステンレス、アルミニウム、チタンなどです。

材質が不明なものでも硬質クロムめっきを処理できますか?

材質が不明な場合には、密着性が確保できない場合や素地荒れのため、めっきに適しない材質があります。例えば、溶射物や鋳物などはめっき不良が発生するリスクが高いです。材質不明の場合は、めっき前に材料分析などを行う場合もあります。

処理可能な品物の大きさについて教えてください。

処理可能な大きさは、材質や精度、仕様、設備などによって異なります。具体的な品物の大きさについてはお問い合わせフォームにてお尋ね下さい。

複雑な形状へ硬質クロムめっきは可能ですか?

硬質クロムめっきはつきまわりと均一電着性が悪いため、複雑な品物に均一にめっきをつけることは難しいです。このような品物では、専用の治具を製作することで、複雑な形状の品物にめっきを処理することができます。具体的な品物についてはお問い合わせフォームにてお尋ね下さい。

内径への硬質クロムめっきは可能ですか?

内径部品へのめっき、精度研磨、ホーニング加工は可能です。ただし、孔径と長さによって加工には制限があります。具体的な品物についてはお問い合わせフォームにてお尋ね下さい。

鋳物への硬質クロムめっきは可能ですか?

硬質クロムめっきは、密着力を高めるためにめっき液中で陽極電解を行います。鋳物に陽極電解を行うと遊離炭素のスマットが多量に発生し(残留)、ピットやぶつといっためっき不良の原因になりやすいです。鋳物への硬質クロムめっきは可能ですが、不良発生のリスクやめっき浴が汚れる懸念があるためお問い合わせフォームにてお尋ね下さい。

PVD処理した品物に硬質クロムめっきは可能ですか?

PVD処理に直接硬質クロムめっきを施すことは困難です。このため、表面のPVD膜を除去する必要があります。また、CVD、溶射された品物上へのめっきについても同様です。除去方法としては、ブラスト処理、研削などを用います。

硬質クロムめっきを剥離して再加工することは可能ですか?

硬質クロムめっき製品は、再加工可能です。再加工時には、クロムめっき層を研磨、塩酸浸漬、アルカリ電解剥離、めっき液中での陽極処理などで剥離除去します。

硬質クロムめっきを剥がす場合、素地が荒れることはありますか?

材質に応じて最適な剥離方法を採用します。それでも剥がし作業では、素地が荒れる可能性が高い材質もあります。具体的なご相談はお問い合わせフォームにてお尋ね下さい。

熱処理だけでもお願いできますか?

ロールの応力除去、水素除去を目的とした熱処理は、一般的に300℃以下でよく行われます。設備を保有していれば対応できます。

バフ研磨を含めた加工の依頼は可能ですか?

形状によりますが、基本的にはめっき前後のバフ研磨を含めた加工が一般的です。

硬質クロムめっきの膜厚の偏肉はどの程度でしょうか?

品物の形状やめっき膜厚によって偏肉の程度は変わります。精度が必要であれば、研磨加工で対応できます。

硬質クロムめっきはどれくらいの膜厚まで処理できますか?

硬質クロムめっきの処理膜厚は30~100μm程度が一般的ですが、200~500μmの厚膜処理も可能です。ただし、めっき膜厚が厚くなるとめっき割れなどの問題が発生するため、材質や使用条件によってはお勧めできない場合がございます。