めっきの基礎知識 めっきの表面機能性 めっきの表面機能性は多種多様です。期待する性能を持つめっきを得るには目的と合致した種類のめっきを選択する必要があります。ここでは、めっきの機能性を8つに大別し、その機能が得られるめっき皮膜の代表例を紹介します。 1.装飾性 製品に光沢を持たせたり、色調を変化させて仕上がりを美しくし、高級感や風合いを演出することができます。タイヤホイール、腕時計、アクセサリー類など目に触れる製品をより美しくしたい場合に利用します。 銀めっき めっき例クロムめっき、金めっき、銀めっき、ニッケルめっき等 2.防食・防錆 めっき処理をすることで、素地を腐食から守ることができます。装飾品だけではなく、多くの機械部品で利用されます。めっきの種類によって、異なる2つの原理で防食、防錆が行われます。 亜鉛めっき 犠牲防食めっき・バリヤー型めっきについて めっき例亜鉛めっき、スズめっき、クロムめっき、ニッケルめっき等 3.機械的強度 製品の硬度を上昇させたり、耐摩耗性を向上させて摩耗に対する耐久性を向上させます。また、金型等への離型性の付与、摺動部品表面の低摩擦化等、機械的強度と性質に関わる機能を付与することができます。 硬質クロムめっき めっき例クロムめっき、ニッケル合金めっき、無電解ニッケルめっき、ニッケル複合めっき等 4.接合特性 はんだ付け性やボンディング性を向上させることができます。ICチップや回路基板を作製する場合に利用されます。 プリント基板 めっき例金合金めっき、無電解ニッケルめっき、スズめっき、スズ合金めっき等 5.電気的特性 部品に導電性を付与したり、磁性、非磁性を付与する特性です。様々なところで使われていますが、特にプリント基板の高性能化には欠かせない特性です。 金めっき めっき例銅めっき、金めっき、銀めっき、ニッケル-コバルト合金めっき等 6.光学特性 光の吸収、反射などの特性が挙げられます。例としては、反射特性は鏡、吸収特性は光学機器の部品によく利用されます。 めっき例クロムめっき、黒色クロムめっき、黒色ニッケルスズめっき、黒色ニッケル亜鉛めっき等 7.化学的特性 めっきでは製品に耐薬品性や抗菌性を付与できます。耐薬品性は、有機酸等の薬品に触れる環境で使用される部品に利用されます。抗菌性は、食器、食品保存容器、食品に直接触れる部品の生産や一部の医療機器に利用されます。 めっき例銀めっき、銅めっき、スズめっき、金めっき等 8.熱的特性 熱的な機能利用としては耐熱性の向上、熱伝導性の向上などがあります。耐熱性は高温環境で使用する部品に、熱伝導性はフライパンなどの調理器具に利用されます。 めっき例クロムめっき、銅めっき、ニッケル-タングステン合金めっき等 めっきの基礎知識TOP めっき皮膜の種類 めっき方法 量産化の設備 めっきの表面機能性 めっき工程 めっきの析出理論 めっき製造設計の知識 めっき製品の品質 めっきの技術用語