めっきの基礎知識
量産化の設備
ロールのような大きな機械部品に対しては、1つ1つの品物に合わせて治具を設計する受注型生産でめっきを処理します。しかし、小物類のめっきは一度に大量の部品をめっきすることが珍しくなく、量産化設備が必要となってきます。代表的なめっき量産設備は、引っかけ(ラック)めっき・バレルめっき・連続めっきです。
設備 | 説明 |
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引っかけ(ラック)めっき | 引っかけ(ラック)治具に品物を取り付けてめっきを行う方法 |
バレルめっき | バレル内に品物を入れ、回転させながらめっきを行う方法 |
連続めっき | 巻き取ったワイヤーやフープ材などにめっきする装置 |
1.引っかけ(ラック)めっき
比較的大きな品物にも対応できます。引っかけと呼ばれる治具はラック、タコ等のさまざまな呼称があります。引っかけは品物に電流を供給するための道具で、ブスバーとの接続部および品物と接触するフック部分以外は絶縁体で被覆されています。引っかけと品物の接点部分ではめっき皮膜が薄くなる傾向にあり、時には無めっきになることがあるので基本的には品質に関係ない場所を選択します。
吊り治具 挟み込み治具
図解 めっき技術の基礎p.105から引用
2.バレルめっき
ボルトやナット、ピン等の小物を同時に大量にめっき処理する場合に、バレルめっきが用いられます。
バレルめっきの仕組み
バレルと呼ばれる小さな細孔が開いた容器に品物を投入し、バレルを回転させながらめっきをします。品物への通電は、電源に接続された給電リードの先端(陰極)を品物群の中に挿入して行います。
図解 めっき技術の基礎p.83から引用
3.連続めっき
巻き取ったワイヤーやフープ材などに連続してめっきをする方法です。ワイヤーでは全面めっきされますが、フープ材やリードフレームでは、マスキングをするので必要な部分にだけめっきを処理します。