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コラム

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めっきと水素脆性

「めっき後にベーキングを行うのは、なぜ?」とご質問を頂くことがあります。答えを一言で言ってしまうと、水素脆性を防ぐことが、目的になります。では、そもそも水素脆性とはどんな現象で、なぜ起こるのでしょうか?今回はそれを解説しようと思います。

①水素脆性とは

 JISH0400(電気めっきのJIS)では、「前処理及びめっき処理の過程で、被めっき物が水素を吸蔵して延性又はじん性が低下する現象」と定義されており、JISG0201(鉄鋼用語[熱処理])では、「水素の吸収で金属及び、合金のじん性が低下する現象」と定義されています。つまり、水素が材料に侵入することで脆くなる現象のことを一般に水素脆性と定義づけています。

②なぜ水素は侵入するの?

 金属は基本的に原子が規則的な並びを持つ、結晶構造となっています。極めて緻密な構造ですが、結晶にも隙間が存在し(結晶格子間隔)、その大きさは結晶の構造によって異なりますが、概ね0.2nm~0.4nmだとされています。

 水素原子の大きさは0.1nmほどで、金属の結晶格子間隔より小さくすき間に入ることが出来ます。その為、めっきなどで水素が発生した場合、ほとんどの水素はそのまま水素ガス(H2)になりますが、一部が水素原子(H)のまま金属内部に入り込んでしまうのです。

③なぜ脆くなるの?ベーキングの効果は?

 金属の中に入り込んだ水素は、結晶と結晶の隙間などに存在していると言われています。これが、金属同士の結合を弱めることで、金属の強度が低下すると言われています。ですが、多くの仮説があり、まだ詳しいメカニズムは分かっていないのが現状です。

 この水素ですが、ベーキングすることで除去することが可能なため、めっき後など、水素が取り込まれるような処理の後には、水素脆性の対策としてベーキングを行っています。