ロールの種類
構造別
1.無垢ロール
ロール本体の内部が空洞になっていないものです。通常は軸と一体になっていることが多いです。
使用例:圧延ロール等
2.中空ロール(ボアードロール、パイプロール)
ロール本体の内部が空洞になっているものです。
使用例:ガイドロール、コーターロール等
3.テンデンシーロール
ベアリングでシャフトを固定したもので、シャフトを固定したままでも本体は回転します。
使用例:ガイドロール等
4.片持ちロール
通常は両サイドに軸があるが、片側だけで支えて使用します。
使用例:繊維機械のガイドロール等
5.ドリルドロール
表面下部に多数の小径貫通孔をドリルで開けたロールで、貫通孔内部に油、熱水、蒸気などを通して表面の温度をコントロールします。
使用例:圧延ロール、成形ロール等
6.二重管・三重管ロール
二重、三重管構造にしてパイプとパイプの間に堰を設けて熱媒体を流せるようにしたものです。内筒パイプにフィンと呼ばれる熱媒体のガイドを取り付けることで、機能を高めることができます。
使用例:延伸ロール、ポリッシングロール、冷却ロール、加熱ロール等
用途別
1.ポリッシングロール
ダイから流れてくる溶融した樹脂を成形するものです。これは高精度を要するものが殆どで、シートなどの表面艶出しやエンボス加工に使われます。二重管の加熱・冷却ロールやドリルドロールなどを2~4本使用します。
2.カレンダーロール
熱可塑性樹脂を2本以上の加熱したロールの間で圧延平滑にし、艶出しを行ってフィルムを成形する際に用いられます。最終工程で使用することが多いです。
3.チルロール、冷却ロール
2~3本の冷却したロールの間で薄い品物を圧延平滑にし、また艶出しを行います。冷却水を流すことで表面温度を下げ、100℃程度に熱せられた品物を室温程度まで下げます。
4.キャスティングロール
流動状態にある樹脂をロール面に流して固化させます。プラスチック等の押出成形や高分子成形体の製造などに使用します。
5.ニップロール、ピンチロール
シートやフィルムを挟み、別のフィルムなどを圧着させたりします。押さえる時の強さをニップ圧と言います。
6.ラミネータロール、圧着ロール
他のシートやフィルムを張り合わせるためのロールです。
7.バックアップロール
ニップロールや圧着ロールにゴムや樹脂などの弾性ロールを用いた場合に、圧力を均等にかけるために押さえつける役目をします。
8.タッチロール
ダイから出てくるシートを冷却ロールとタッチロールの間に通して成形します。 薄物にはエアーナイフが用いられます。
9.コーターロール
接着剤や塗料を印刷物に均一にコーティングするためのロールです。最近ではスマートフォンやパソコンの画面に保護被膜などをコーティングするため、高い精度が必要となります。