今回から、めっきの一種である合金めっきについてお話させて頂きます。
まず最初に、合金とは一体何でしょうか?
合金とはある金属が持つ性質をよくしたり、本来ない機能を追加するために、一つの金属に1種または2種以上の金属・非金属元素を加えて作った金属材料のことを指します。合金材料は私たちの身の回りの様々なものに使われており、有名なものとしてはシンクなどに使われるステンレスなどが挙げられます。
•合金の構造
合金は、ある金属にほかの元素が溶け込んだ状態で固体となっており、このような固体を固溶体といいます。この固溶体は、どのように原子が溶け込んでいるかによって、以下のように種類が分けられます。

(a)のように金属結晶のすき間に侵入して入り込んでできる固溶体を侵入型固溶体と呼びます。この固溶体は、水素や窒素、炭素などの原子半径が小さい原子が金属結晶のすき間に入り込むことで作られます。
一方で、(b)のように結晶構造を作る際に本来の金属原子が入る部分に置き換わって、他の原子が入ることで形成される固溶体を置換型固溶体と呼びます。通常は不規則に混ざり合っていますが、ある組み合わせでは規則的に配列することもあり、このような構造を規則格子と呼びます。
固溶体は金属の強化機構に重要な役割を持っているため、身の回りの金属は殆ど合金化されています。