このホームページでも触れている通り、表面処理の目的の一つは腐食を防ぐ事です。
では、腐食とはどのような現象で、またどのような種類があるのでしょうか?
今回は腐食の現象と腐食の種類について説明します。
腐食とは「金属がそれを取り囲む環境中に存在する物質と反応して溶けたり、金属以外の物質になり、金属が失われていく」現象の事を指します。酸素と鉄が反応してと赤さびが出来る現象を例にすると、赤さびは金属と見なされないので、「金属が失われた」腐食現象だと言えます。このように腐食現象は身近に数多く存在します。
腐食は湿食と乾食の2種類に大別されます。湿食とは水がある環境で発生する腐食の事を指します。通常の環境で発生する腐食はこの湿食で、先ほど例に挙げた赤さびが出来る現象もこの湿食になります。
一方で、乾食とは水が無い環境で発生する腐食の事です。この腐食は高温の環境でなければ発生しないので、通常の環境では滅多に起こりませんが、実は身の周りに多く存在します。中華鍋や、フライパンの底に黒い物が出来る事がありますが、これはガスコンロの火により乾食が起きた事で、黒錆が作られたことが原因です。
ちなみに、湿食に関わる水は液体の状態である必要がありますので、水蒸気などでは湿食は起こりません。
そのため水がないように見えても、腐食が発生・進行している場合は、目に見えない程度の水の膜が存在しています。