前回は、化学結合について解説しました。その中で錯体を形成するうえで重要な、配位結合について触れましたが、今回はもう少し詳しく解説をしていきます。
①配位子、配位数、配座とは?
配位結合は通常の場合、以下のような形式で形成されます。

上式の場合、Aに対して:Bが電子(式中の:)を共有しA:Bの配位化合物が形成されます。:Bのように相手に電子を提供する分子或いは物質のことを配位子と呼びます。(ちなみにAは基本的に金属イオンです。)この時、Aに結合している配位子の数を配位数と呼び、配位数はAの価数(酸化状態)によって変わります。:Bの中でもAに直接結合する原子を、配位原子と呼びます。
この配位原子が一つのものを単座配位子、二つ以上の配位原子を持つ配位子は、まとめて多座配位子と呼ばれるほかに、二座配位子、三座配位子などと、呼ばれることもあります。
以下に、主な配位子を示します。

②キレートとは?
多座配位子を別途キレート配位子と呼び、これにより形成された配位結合をキレート結合と呼ぶことがあります。この結合は非常に安定のため、特定の金属を分離したりするのに使われます。キレートの語源は、ギリシャ語のカニのハサミに由来しており、複数の原子が、金属原子をがっちりつかむのがカニのハサミに似ているから名づけられたそうです。EDTAのキレート構造を以下に示しますが、皆さんは似てると思いますか・・・?

構造図引用:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Metal-EDTA.svg?uselang=ja#%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%B9