今回は合金めっきの特徴や用途について解説していきます。通常、めっきは単一の金属を析出して作られる皮膜です。一方で、合金めっきは、前回のお話に挙げたように、一つの金属と1つ或いは2つの元素を同時に析出させて作るめっきになります。
金属を溶かして混ぜ合わせる溶融法で作る合金と比較して、以下のような特徴を持ちます。
①溶融法で作れない合金皮膜を作ることが出来る
②溶融法で作製することが出来る組成の合金でも性質が異なることがある。
③融点が大きく異なる金属同士を合金化することが出来る。
④結晶サイズが微細になりやすく、合金の組み合わせによっては非晶質になる。
また、上記のような特徴の他に、単体では析出できない金属元素も、他の金属共に析出させることが出来るため、独自の機能を持たせることが出来ます。合金めっきの特性と種類の例を以下の表に示します。

合金めっきは有用な性能を数多く有しており、様々な研究が行われています。
しかし、現時点で実用化できたものは少数なのが現状です。