クロメート皮膜とクロムめっきの違いについて説明します。
まず第1点は、表面処理の目的が異なっています。
クロメート皮膜は耐食性の向上を主目的とした処理です。一方、クロムめっきの用途は幅広く、例えば表面をきれいに保つ装飾目的、機械部品等を長持ちさせるための耐摩耗性等が代表的です。
第2点は皮膜の組成が大きく異なっていることです。
クロメート皮膜は3価クロムの膜に6価クロムや亜鉛、硫酸等を含んだ化成膜です。一方で、クロムめっきは金属膜(0価のクロム)で6価クロムは含んでいません。したがって、クロムめっき品は、環境規制を受けていません。
3点目は2点目と関連しますが、クロメート皮膜はめっきではありません。めっきは基本的に金属の皮膜やそれを作る処理を指す言葉です。そのため、クロメート皮膜は、めっきには区分されず化成処理と呼ばれる全く違うカテゴリーに分類されています。
今回説明したクロメート皮膜とクロムめっきの違いを簡単にまとめると以下の通りです。